本業のあとに高円寺でアルバイトをしていた友人
「今度お店に来てよ。
」と彼が言いました。
高円寺の駅前でアルバイトをしているらしいのです。
彼とは中学1年生のときに同じクラスになりました。
それまでは違う小学校に通っていたので、全くはじめて出会う人でした。
彼は体も小さく、すごいリーダー格というわけでもないのですが何となくみんなをまとめる力のある人で、いつもクラスの輪の真ん中にいました。
縁があったのか2回のクラス替えがあっても3年間同じクラスで過ごしました。
中学を卒業後、野球部だった彼は甲子園を狙える高校に進学したのですが、怪我をしてしまってマネージャーになったようでした。
そして、近くに球場のあるプロ野球球団でアルバイトもしているということでした。
そのまま野球関係の道を進むのかと思っていたら、公務員になったらしいという話を聞きました。
私は同じ方向へ行く電車に乗る別の高校に通っていましたが、ホームで会うのは年に数回ほど。
高校3年生のころには、全く会わなくなっていました。
何年ぶりかで偶然会ったのが高円寺の駅でした。
「公務員になったんじゃないの。
」と聞く私に、彼は笑っているだけでした。
どうしてそんなに稼ぐ必要があるのかは聞きませんでしたが、彼は小さな居酒屋のようなお店のカウンターの中でアルバイトをしているといいました。
高円寺の駅はときどき利用していましたが、まさか駅前で彼がアルバイトをしているなんて思ってもみませんでした。
その日は、ほかに予定があったのでお店には行かず、別れました。
後日行ってみると、まるで本業の板前さんのように角刈りの彼がカウンターの中にいました。